
こんにちは、ニュージーランド在住の保育士で3歳の娘を持つ父親でもある僕が、日々の保育と子育ての経験を通して感じたことをお伝えしていきます。
今日は、ニュージーランドの幼児教育で重視されている「感情表現力の向上」について、特に音楽教育の観点からお話しします。
ニュージーランドの幼児教育の特徴
ニュージーランドの幼児教育は、「テ・ファリキ(Te Whāriki)」と呼ばれる独自のカリキュラムに基づいています。このカリキュラムでは、子どもたちの全人的な発達を重視し、特に感情的・社会的スキルの発達に力を入れています。
音楽教育は、このカリキュラムの中で重要な位置にあると僕は考えています。音楽は子どもたちの感情表現力を育む上で大きな役割を果たしています。
音楽を通じた感情表現力の向上
1. 歌を通じた感情の理解
僕たちの保育園では、音楽の時間に様々な感情を表現する歌を取り入れています。特に人気なのが、マオリの伝統的な歌「Te Aroha」です。この歌は「愛」「平和」「信頼」という3つの大切な概念について歌っており、それぞれに簡単な手振りが付いています。子どもたちは歌いながら、「愛」では手を胸に当て、「平和」では手を広げ、「信頼」では隣の友達に手を差し伸べます。
我が家の娘も、この歌が大好きで、家でもよく歌っています。歌とダンスが大好きな娘は、「Te Aroha」を歌うときはいつも生き生きとしています。
他にも、音楽をかけたりギターを弾いたりしながら、一緒に歌って踊って遊ぶのが日課になっています。こういった日々の音楽活動を通じて、娘の感情表現力が豊かになっていくのを感じます。
先日、印象的な出来事がありました。僕の妻が何気なく「ハナミズキ」という日本の歌を流していたとき、娘が突然「これ、優しい歌だね」と言ったのです。音楽を通じて感情を認識し、言葉で表現する力が育っているのを実感しました。
このように、歌を通じて感情や抽象的な概念について考え、表現する力が育っていくのは、音楽教育の大きな利点だと感じています。ニュージーランドの幼児教育では、こういった活動を通じて、子どもたちの感情表現力を豊かにしていくことを大切にしています。
2. リズム遊びと感情の表現
ニュージーランドの保育園では、マオリの伝統楽器を使ったリズム遊びも人気です。子どもたちは、自分の気分に合わせて速いリズムや遅いリズムを選び、音を通して感情を表現します。
最近、面白い経験がありました。娘が園で歌った「Twinkle, Twinkle, Little Star」(きらきら星)を家で一緒に歌っていたとき、私がギターで伴奏を始めました。すると娘が「もっと早く!」と言い出し、テンポを上げてみると、大喜びで踊り出したんです。次は「ゆっくり」とリクエストがあり、ゆったりとしたテンポで弾くと、今度は眠そうな振りをして笑っていました。音楽のテンポを変えることで、異なる感情や状態を表現できることを、遊びを通して学んでいるようで、とても興味深く感じました。
3. 音楽を通じた共感力の育成
グループでの音楽活動は、他者の感情を理解し、共感する力を育てるのに役立ちます。3歳児クラスでは、「みんなで手をつなごう」という簡単な歌と動きを組み合わせた活動を行っています。歌いながら輪になって手をつなぎ、友達と一緒に揺れたり跳ねたりします。
この活動を通じて、子どもたちは友達の存在を意識し、同じ動きをすることで一体感を味わいます。娘は家でもこの歌を歌いながら、人形と手をつなぐ真似をしています。音楽を通じて、他者との繋がりを感じる力が育っているのを実感しています。
音楽教育の効果
音楽を通じた感情表現力の向上は、子どもたちの社会性の発達にも大きく貢献しています。自分の感情を適切に表現し、他者の感情を理解する能力は、健全な人間関係を築く上で欠かせないものです。
ニュージーランドの幼児教育では、この点を重視し、音楽を通じて子どもたちの感情知性を育んでいます。

おわりに
音楽は、言葉ではうまく表現できない感情を伝える素晴らしい手段です。ニュージーランドの幼児教育における音楽の活用は、子どもたちの感情表現力を豊かにし、より良いコミュニケーション能力の基礎を築いていると実感しています。
皆さんも、お子さんと一緒に歌を歌ったり、音楽に合わせて踊ったりしてみてはいかがでしょうか?きっと、新しい形の対話が生まれるはずです。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!